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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第9章 【伏黒恵】君に響くカンパニュラ II **


「なら、今日狗巻先輩と任務だろ?」

「…………」

「朝早いやつ。昨日言ってたじゃん」



完全に忘れてた。
……そうだった。



「なんだよ、伏黒。寝ぼけてんの?」



虎杖が怪訝そうに俺の顔を覗き込んでくる。



「別に。なんでもねぇ」



よかった。
少なくとも、今すぐ何かが起きたわけじゃない。



「あ、そうだ。昨日の差し入れ、受け取った?」

「……差し入れ?」

「ほら。伏黒、風邪って言ってただろ? だからに頼んだんだよ。俺の代わりに持ってってって」



だから昨日、は俺の部屋に来たのか。
そういえば、床にコンビニの袋が落ちてたな。

そういうことか。



「どうだった?」

「……まあ。虎杖にしては、いい差し入れだった」

「だろだろ?」



虎杖が得意げに笑う。



「風邪の時はやっぱ、おにぎりと栄養ドリンクが一番だからな!」

「…………ああ」



たぶん、虎杖が思ってるのとは違うけど。
俺にとっては、これ以上ない差し入れだった。



「じゃ、後でな」

「ああ」



虎杖は何事もなかったように洗面所の方へ歩いていく。
その背中を見送って、俺も一度自分の部屋へ戻った。


が任務に行っているだけだと分かって、ようやく少し冷静になれる。

さっき飛び出した時には気づかなかったが、改めて見ると、部屋の中には昨夜の名残がそこかしこに残っていた。
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