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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第8章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない Ⅱ**


「……帰りたく、ない」

「…………」

「私も……」









「先生と……いたいです」




……なに、これ。

なんで僕、こんなに嬉しくなってんの?

自分でもよく分からなくて。
なんか顔に出そうだから、先に口を開いた。



「素直じゃないんだから、は。帰りたくないなら、最初からそう言えばいいのに」

「そ、それは……先生もじゃないですか」

「僕はいいの。五条悟だから」

「ずるくないですか、その理由……」



が頬を膨らませて、むっとする。
その顔を見たら、なんだか急に笑えてきた。



「ふっ……」

「な、なんで笑うんですか」

「別に」



さっきまで泣きそうな顔してたくせに。
もう、いつものだ。
それだけで、なんかほっとした。



「ほら」



立ち上がって、に手を差し出す。



「アイス溶けちゃう。帰ろ」



は差し出した手と僕の顔を交互に見る。
それから、おずおずと手を伸ばしてきた。

小さな手が僕の手の中に収まる。



「……はい」

「ん」



僕たちは並んで歩き出した。

コンビニへ行く時も手は繋いでいたけど。
あの時は、僕が勝手にの手を取っただけ。

今は、僕が差し出した手をの方からちゃんと取ってくれた。


それだけのことなのに、全然違う。


マンションが見えてきて、もうすぐ部屋に着くっていうのに。
このまま、もう少し歩いててもいいかも。

なんて思ってしまったのは、が初めてだ。


隣を見ると、はまだほんのり頬を赤くしたまま俯いている。
けれど、繋いだ手はそのままだった。

僕も離したくなくて。
がどこかに行かないように、握る手にほんの少し力を込めた。


そうして歩いているうちに、マンションの入り口がすぐ目の前まで近づいてくる。


すると、入り口の前に人が立っているのが見えた。


こんな時間に誰だろ。


近づくにつれて、その姿がはっきりして――。







「……恵?」
















𓂃 クロユリは君を離さない 𓂃

── to be continued.
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