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かるら怪談

第45章 鬼の宿


☆☆☆
A君は離れに走った。勘違いであってほしかった。
「きゃー!」
おそらくBさんのものと思われる悲鳴が響く。
A君はどきりとしながらも更に急いだ。そして、離れにたどり着き、障子を開ける。
そこには、包丁を持ったひいおばあちゃんが立っていた。包丁からは血が滴っている。
ムッとする臭気。

ひいおばあちゃんは「はー」と息を吐く。獣の吐息のような生臭さ。
まるで、昔話の鬼女、鬼婆といった風情だった。

かたわらには腕を切られ、うずくまるBさんがいた。
A君は慌ててBさんとひいおばあちゃんの間に割って入った。

何をするんだ!と恫喝するが、まったく意に介さない様子でひいおばあちゃんは持っている包丁を再度振り上げた。A君はとっさに腕を捉え、包丁を取り上げようとする。

その力はとても90を超えた老婆には思えないほどの力だった。揉み合いになりながらも、A君が突き飛ばすと、ひいおばあちゃんはたまらず一瞬ふらついた。その時、やっと、悲鳴と物音を聞きつけてA君の父と母も駆けつけた。そして、みんなでなんとかひいおばあちゃんを取り押さえたのだった。彼女はそのまま精神錯乱として、救急車で搬送されることになった。
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