• テキストサイズ

かるら怪談

第39章 ずるい


☆☆☆
K子の家を出たときには、B子もちょっと心があたたまる思いがした。偶然だろうけど、K子の供養になったかもしれないと、思っていた。

幹線道路沿いに家路を急ぐ。駅からK子の家までは例の事故現場を通るのが近かったが、やはり嫌な記憶があるので、そこは迂回した。
しかし、K子の家から、B子の家までは必ず少しは幹線道路沿いの歩道を通る必要があった。

あたりはもう真っ暗だった。左手の道路には大型トラックや乗用車がかなりのスピードで走りすぎていく。ヘッドライトとテールライトが光の川のように見えた。

『あの日もこんな感じだったな』

久しぶりにあの日のことを思い出していた。事故の原因は飲酒運転だったと聞いた。
『K子ちゃん、何も悪い事していなかったのに…』
そう思うと、自分が生きているのに感謝しなければいけないと思えてきた。

ふと、意識が現実から離れた一瞬、B子は

どん!

と横から幹線道路の方に押されたのを感じた。

たまらず、道路に倒れ込む。
そこに、大型のトラックが迫ってきて、

キキキーッ

すんでのところで、それは停車した。

運転手が何事か叫びながら降りてくる。
しかし、B子の耳には運転手の声は届いていなかった。

トラックが急停車する寸前に聞こえた声・・・あれは・・・
そう、あれは、確かにK子の声だった。
/ 228ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp