第32章 2026年 ~GW~
『ねぇね…弾いて~?』
「えっ??私??ピアノなんてッ
猫ふんじゃったぐらいしか…弾けないよ?」
自由に触っていいピアノとは言え
その場所に来てる人達は
ピアノの横を通り過ぎながら
鍵盤を撫でて行ったり。
カエルの歌とか…チューリップとか
昔習った感じの…曲を
指1本でたどたどしく奏でて行くだけで。
私も音楽の時間に……教科書を観ながら
オルガンだったら……ちょっと
弾いたりする事はあったけど…。
たどたどしい感じ……で…
ねこふんじゃったを披露して。
ぱちぱちぱちと…大和と
ここなちゃんが拍手してくれて。
『港斗くん…1曲…頼めるかな?』
お父さんがそう旦那さんに言って来て。
『じゃあ……1曲だけ…』
と…旦那さんがネモフィラの…
青い海の中にある…
真っ白なピアノの前に座って。
ピアノを演奏し始めると…
ざわざわと…ネモフィラの海の
あちこちから人がざわめくのが聞こえて。
♪~♪~♪ ♪~♪~
YouTubeのストリートピアノを
演奏したら人が凄い集まって来たって
言う類の動画で観たような光景が
目の前で起こってたんだけど…。
ネモフィラの海にある
真っ白のピアノってだけでも
弾いてなくても映えてるのに、
その映えピアノを長身のイケメンが
弾いてたら……人も集まるってと
妹の千冬が嬉しそうに言っていて。
ネモフィラの中で散策したり
写真を撮ったりして時間を過ごして。
その後はネモフィラエリアの近くに
期間中はキッチンカーが出ていて
青いネモフィラをイメージした
ソフトクリームが売ってたので。
大和とここなちゃんが食べたいと言って
ベンチに座って青いソフトクリームを
2人は美味しそうに食べていたんだけど。
『、も何か食べますか?』
「え?私は…大丈夫…だけど…ッ」
『じゃあ、僕もあの青い
ソフトクリーム食べるんで
一緒に食べましょうよ』
旦那さんがそういつも旅行に
行った時みたいに言って来て。
ソフトクリームを買って戻って来ると
どうぞと私の方に差し出して来る。
『スプーンありますよ?僕
直で食べるんで、これ使いますか?』