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淫夢売ります

第42章   開く扉


車窓に流れる光景を見ながら、私はぼんやりと小学生の頃のことを思い出していた。

私の家はいわゆる転勤族だった。小学校は2回、中学のときに1回転校をしている。そのせいか、なんだか小さい頃の記憶は混乱している。思い出した記憶がいつの、どの小学校での記憶なのか、いまいちはっきりしないのだ。

ただ、先日思い出した光景、あの光景の中の女の子が着ていた服は、たしかに私が小さい頃に着ていたものだった。

夏の夕暮れ。
大きな樹の下。木の向こうに見える大きくて立派な百合の花。
私は何か急いでいて、それで、誰かに何かを言っている。

『・・・なの・・・だから・・・』

その時の私の格好は、黒い七分丈の上着に白いくまのプリント、黒のチェックのスカート。
相手は多分女の子。

でも、その子の顔はちょうど沈む夕日に逆光になっていて、わからない。
声も、表情も、わからない。

ただ、いい匂いがしたのを覚えている。
あれは、百合の匂いだっただろうか?

あの樹・・・そう言えば、ユミの家の庭の樹に似ている気がする。
あそこには百合も咲いていた。
何か、関係があるのだろうか?
そして、2013年7月18日・・・この日付になんの意味があるのだろう。

時刻は昼下がり。もうすぐ、実家の最寄り駅に到着する。
私の記憶の中にきっと、答えがあるに違いない。
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