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ネコの運ぶ夢

第3章 身を寄せるネコ


☆☆☆
「課長?どうしたんですか?目の下すっごいクマですよ」
部下の朝霧くんが驚いたように言う。
そうだろう・・・昨晩はほとんど眠れなかった。

音子は寝息を立てた後も、結局一晩中俺に抱きついたまま離れなかった。
何度か、抜け出そうとしたのだが、その度に音子はパチっと目を覚ますと、

「市ノ瀬さん・・・だめれす」

と言い、またギュッとする。これを一晩中繰り返されたのだ。

朝、目が覚めると、音子はいつにも増して機嫌がよく、肌艶が良かった。よく眠れたらしい。それはようございました。

引き換え、俺はこの状態である。

「ああ・・・ちょっと、飼ってるネコが夜中暴れてね・・・」
「え?課長、猫飼ってるんですか?」

ああ、特大の・・・、とはもちろん言わなかった。
俺の身体は果たして保つのだろうか・・・。

はあ・・・っとため息をついてしまい、また朝霧くんに心配されてしまった。
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