第22章 柔らかな時間
「城君…解ってる?」
「何が」
「ウィナー取ったら…インタビューだってあるし、写真撮影だってある!それなのに付けたらファンだって言ってくれる人みんなパニックになる!」
「…だから?」
「だからって…」
だんだんと俯いていく雅。付けたくないわけじゃない。だけど…その後のリスクを考えれば付けない方がいいに決まってる…そう思っていた。
するりと手を離した加賀は、『…そっか』と一言残したものの、フッと笑いながら部屋に戻っていく。そのあとをゆっくりと着いて行った雅はベッドに座る加賀の前に立った。
「…ッッ城、くん」
「ん?」
「…あの…」
「あー、無理しなくていいさ」
そういわれた雅はそっと加賀の足の間に片膝をついて首に腕を回す。
「…あの…嫌とかじゃなくて…」
「ん?」
するっと腰に腕を回す加賀。また更に二人の距離が縮まった時だ。
「…ッッ」
Tシャツの首元を少しだけずらして雅は鎖骨の位置に唇を寄せた。ゆっくりと離れれば骨ばったそこに紅く小さな痕がくっきりとついていた。
「…ここでも…いい?」
「…余計エロいだろ」
「え?」
「こんな、普段見えねぇところなんてよ」
そういえば後ろ首に腕を回して引き寄せる加賀。珍しく雅が見下ろす形になったままのキスに少しだけ戸惑っていた雅だったものの、加賀との朝の時間に時間が止まれば…と心のどこかで願っていた。
「…明後日の決勝…」
「ん?」
「頑張ってね?」
「んなこと言っていいのかぁ?」
「え?」
「雅は少なくともスゴウ、まだな?」
「ん、解ってる…」
「ま、最高のクリスマスプレゼントになる様に走るけどな?」
そう言ってするっと頬を撫でる加賀の手にふふっと笑う雅だった。