第2章 思い出す記憶
『おーっと!!加賀が風見を抜いての最終ラップに向かう時!後方でアンリとグーデリアンが接触!!!』
その放送を聞きながらも液晶ビジョンに映る二台のマシンからグーデリアンが出てくる。アンリも少し遅れて出てきた。
「…とりあえずは無事か」
「そうで、…ッッ」
しかしそのままビジョンに映し出されていたのはグーデリアンに詰め寄っていくアンリの姿。
「…あのさぁ、もう少し気を付けてくれない?」
「ぁあ?!ユーがもう少し気を付けていりゃよかったんじゃないのか?」
「は?僕が前を走っていた。」
「なんだと?」
モニター越しに見ている二人の様子にあっけを取られている時だった。ツカツカと一人ハイネルがやってくる。
「…申し訳ない」
「いえ、うちのこそぼーっとしていたのだろう、それに『アレ』を吹っ掛けたのはうちの方だ」
そう言いながらも修が指さしたのはモニターの中で喧嘩をする二人の姿。
「…ハァ…」
「ケガも軽症でよかった。」
「本当に…」
そうしてハイネルも一礼してスゴウのピットインから出ていった。そうこうしている内にエクスペリオンとアスラーダがチェッカーを受けている。歓声とともにこぶしを上げる加賀の姿もあった。
「…ッッ」
その様子をちらりと見る雅。ドキンと胸を震わす。
1st ブリード加賀
2nd 風見ハヤト
3rd 新条直樹
三名が表彰台に上っていく。その様子を見ながらも雅はアンリの元に向かっていた。
「…お疲れ様」
「別に」
ふいっと顔を背けたアンリの横に座り込んで、雅は顔を合わせないままに話を始めた。