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魔王之死刀

第6章 ・闇魂


「そう言う事だ。しかし、お前の真の姿……死皇帝に変異するには、今のままではリスクが大き過ぎる。これから訓練するとは言え、それだけでは不十分だ……死皇帝に変異した時の拒否反応を軽減する訓練もするが、当分の間、死皇帝に変異する時は、いざと言う時だけにしておけ。それに、お前にはその前の変異である羅刹もあるからな」

 ゾロは眉間に皺を寄せつつ、オセの話を黙して聞いていた。
 そして彼は、溜息を一つ吐くと、悔しそうにポツリと呟く。

「……変異時の拒否反応さえ克服出来れば、死皇帝モードになれるかと思ったんだけどな……やっぱりそいつは、最終手段って事か……」

「うむ、その通りだ。拒否反応は何れ消えるが、まだ凶暴化した時のリスクは残っている……何が切っ掛けで凶暴化するかは、現時点では全く判らんからな……残念だが、変異はなるべく羅刹迄にしておけ」

「……まあ、そうだな……それでなくても、死皇帝モードになれば理性は殆ど吹っ飛んじまう状態だからな……おれを止められる奴もルシファーだけだからな……まあ、しょうがねえか……」

 ゾロは右手で頭を搔きつつ、ふうっと一つ、大きな溜息を吐く。
 その時オセは、ルシファーが言っていた言葉を出した。

『……止める方法と言うか……ゾロを止められる『存在』がいる。僕の他にも、ね』

 しかしオセは、その事をゾロに伝える事はなかった。
 何時、何処で会えるか判らず、それが誰であるのかさえも判らない。
 しかも現時点では、その者は実際に現れていない。
 ルシファーだけが知っている事案なのだ。
 その時、彼の耳に、ゾロの声が飛び込んで来た。

「おい、オセ……どうした、大丈夫か?」

そう、オセは腕組みをして、じっと砂地を見詰めながら、何時の間にか考え込んでしまっていたのだ。
 彼は、はっと頭を上げ、ゾロの顔を見る。
 ゾロはしっかりとした眼差しで、オセの目を見ながら言った。
 
「……おれの事だったら、そんな心配しなくても大丈夫だぜ。万一、死皇帝になる事があっても……おれは一味の連中やお前等には、絶対手には掛けねえからよ……大丈夫だ、約束する」
 
 ゾロの口から出た『約束』と言う言葉。
 それは、強さになる事もあれば、足枷になる事もある。
 しかし、ゾロは約束を守った事はあっても、破った事は一度もない男であった。
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