【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第25章 悲劇なる日曜日
立てこもりがされている建物から少し離れた場所に政府の部隊が待機している。
各部隊に無線を繋げ、狙撃班からの報告が入る。
『本部、こちら狙撃班。窓から犯人を目視。しかし、犯人の顔は頭巾で隠され見えず』
「その白頭巾共が『天人五衰』だ。狙撃の合図を待て」
隊長らしき人が指示を出す。
次に救出班に無線を切り替える。
「救出班!戦闘状況は?」
『謎の異能者と依然戦闘中!装甲車を引っ繰り返されました!』
「くそっ!情報部に敵異能者の照会を急がせろ!」
「少尉、どう思う?人質は本部長級の要人ばかりだ。だが現時刻に彼等に会議の予定は無い」
「‥‥非公式の秘密会議でしょう。政治屋にはよくある話かと」
「だが‥‥となると犯人は秘密会議の計画を事前把握していた事になる。矢張り真実かも知れん、『天人五衰』が政府関係者という噂は‥‥」
「それが本当なら他機関との協力は危険です。我々のみで突入せねば」
「ああ、秘密会議の内容も急ぎ特定させろ」