第3章 《1部/前編2/5話/3P》04 05 06
〈子供時代編〉【04 父から与えられた力】
〈02/10話│1(2/2)/3P│1400字〉
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「……にいさま、だいじょうぶ?」
兄弟達に笑われ、馬鹿にされ、暴力も振るわれることが頻繁になったサンジ。そんな彼を医務室からこっそり少しずつ拝借して作ったお手製救急箱を持って、日課のように部屋を訪ねるようになった。
「いてて……ロクジュ、おれに…構ってるのがバレたらお前も………いてっ!」
「そんなのはいいの!いいからやらせて」
消毒液をたっぷり染み込ませたコットンで顔の血液を丁寧に浚っていく。滲みてしまうのか、サンジはよく「いてっ」っとこぼす。
「はい、きれいになった!つぎはきずぐすりとしっぷをはるからね。またはれていたいとおもうから、いたみどめものんでね」
「ああ……ロクジュ…ありがとう」
「ふふ、わたしうまくなってきてるし、おくすりとかにもくわしくなっているから、いむしつのおいしゃさんたちにもまけなくなるね!」
薬を塗ったガーゼを患部に貼り付けているとサンジの瞳がうるうるしてた。なのでサンジよりも小さいこの体で彼を抱きしめながら言う。
「だいじょうぶだよ。わたしはサンジにいさまがほんとだいすきだからね」
「ロクジュ……」
サンジもボロボロと涙をこぼしながら、私をしっかりと抱きしめてくれる。その時だ。見たことの無い、まぶしい白い光が私とサンジを柔らかく包みこむ。
「え………?」
あわてて体を離して辺りをうかがって見てもなにも気になることはない。首をかしげげながら「なんだったんだろ」とつぶやくと周りを見ていたサンジもハテナを浮かべて首をかしげる。そんな彼を視界に入れた時。
ふいに気づいた変化。
よく見るとサンジの顔の腫れがなぜか一部分引いているし、色が変わっていた肌も元の色に戻っている。
「………にいさま、これ……」
「ん?あれ!?痛くない??」
私が指差して口をパクパクさせていると、サンジも不思議そうに恐る恐ると患部を確認してみていた。
そしてすぐに驚きの声を上げてしまう。
手当てしていた物をゆっくりとはがされたそこにあったのは───傷なんてひとつない、とてもキレイな肌色をした肌だったのだから。