第20章 もう一度貴方と (番外編3の2)
「こんにちは。」
その挨拶は、の方から切り出された。
高専の廊下。
雨の日のことだったーー…。
「先日はいきなりすみませんでした。」
「こちらこそ。」
は、廊下の前を歩いていた五条に話しかけ、頭を下げた。
家に五条が現れた時、は不審者だと思い攻撃を仕掛けてしまった時のことだ。
五条は振り返り、ポケットに手を入れたまま口角を上げた。
五条の前には野薔薇たち三人がいて、驚いてをみていた。
「あ、野薔薇ちゃん!久しぶり。二人も!」
五条の前にいる三人には手を振った。
「五条さん。あの時怪我とかありませんでした?私、あの時パニックになってしまってて…本当にごめんなさい。」
「怪我なんてないない。だいじょーぶ。」
「よかったです。また、高専にもこうやってお邪魔させてもらうことあるかと思いますので、その時はよろしくお願いします。」
「うん。」
他人行儀の会話に虎杖や野薔薇たちは、眉を寄せ顔を見せ合った。
「…さん?」
「ん?あ、野薔薇ちゃん渋谷に新しいパンケーキのお店出来たんだって。また行かない?」
野薔薇は戸惑い頷きつつ、五条とを見比べた。
「え、さん?てか、せん……」
と、虎杖が切り出したところで、五条はの後ろから口元に人差し指を持っていき三人に首を振った。
五条はまだ三人にが自分のことを忘れてることを話していなかった。
ここで三人から質問攻めさせるのを、五条は良しと思わなかった。
知り合いだったと言うことは知ってはいても、“恋人だった”と言うことをにはまだ知らせたくなかった。