第15章 二人の未来
悟さんをすぐに呼ぶべきか。
ーー…いや。
あれが特級なのかどうか私にはわからない。
私が普通に浄化のできるかもしれない。
まだ廊下の向こうにいるソレに向かって、私は矢を放った。
光の矢が放たれ、ソレに当たるまえに、呪霊はふっと消えた。
「あっ。」
浄化で消えたのではい。
姿を消したのだ。
「ひっ!」
今度はまた私の後ろの方に姿を現した。
遠くではあるけど、さっきより近づいてきている。
廊下の壁から天井に沿ってのぺっと立ってるのが、不気味で仕方なかった。
【やっとあーえた】
キンと響くような甲高い嬉しそうな声が響き、私は一歩下がった。
ーー…私が浄化出来ないやつがいる時は、すぐに呼ばなきゃ…。それに、こいつがきっと私をずっと狙ってた呪霊だ!
私はポケットから小さな折り畳みナイフを取り出した。
自分の指を傷つけたら、悟さんへの合図だ。
すぐに悟さんがここの敷地内の上空に来てくれる。
「…お…に……ーーん…!」
私はナイフを持ったまま止まった。
何か聞こえる。
「おにいーちゃーん!」
はっきり聞こえた声は子供の声だ。
私と呪霊の間の教室から聞こえてくる声は、兄を探す泣き声で、私はそちらに走った。
呪霊の顔が、私からその声の方に動いたからだ。
私はナイフを一度ポケットにしまい、おもちゃの銃を取り出すと、何発か呪霊に向かって撃った。
多分当たったであろうけれど、私は必死すぎてそんなの確認する余裕もない。
呪霊は動いてる様子はなかったから、声のする教室に駆け込んだ。
「大丈夫!?」
「おにぃーちゃーん!」
小学一年かそのくらいの男の子がわんわんと涙を流し、泣いていた。
「お兄ちゃん一緒に探そ!とりあえず、こっち!」
よいしょー!と、抱っこすると教室の窓を開け、一緒に校舎裏に飛び降りた。