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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第25章 【セブルス・スネイプ】


 そこからまた急速に場面が変わった。何が起こったのか、ハリーは自ら命を絶ちたいと思うほど絶望していた。大粒の涙を流し、やはりダンブルドアと一緒にいる。

「貴方は……貴方ならリリーと助けてくれると……」
「リリーを助ける事は出来なかったが、リリーの息子は助かった」
「それじゃあ何の意味もない!!」
「そうかの?あの子の瞳はリリーと瓜二つじゃ。その男の子を救うことが、天に召されたリリーへの愛情とは思えぬか?」

 ドクンッ……と、その時ハリーはこれまで経験した事が無いほど心臓が大きく鼓動した。
 いや、もしかしたらこれは追体験中のスネイプの鼓動なのかもしれない。だがどちらにせよ、この記憶の肝であることは明らかだった。

「闇の帝王は生きておる。その復活の時こそ予言の子であるハリーにかつてない危機が近づくであろう。それを守りぬくのが君の役目じゃ」
「……ならば、ならばその役目を引き受けましょう。ですがお願いです、どうかこの話は私と貴方だけに留めておいて下さい。ポッターの……奴の息子を守るだなんて――」

 世界で一番憎んでいた相手と、世界で一番愛していた人との子供を守る。それは愛するリリーを「穢れた血」と呼んだ時と同じくらい、内臓全部がかき回されグチャグチャになるような気分だった。


 ――そしてついに、ハリーは最後の記憶にたどり着いた。
 場所は校長室で、ダンブルドアが黒くなった右手をスネイプに診てもらっている最中だった。
 指輪は既にダンブルドアによって破壊された後だったが、その指輪をはめた右腕は勿論、徐々に全身にも呪いが廻って死ぬとスネイプは宣告した。

「持ってあと1年でしょう。しかし何故この指輪をはめようと思ったのか、理解に苦しみますな」
「儂もまだ未熟者だったということじゃ。それよりも……」

 ダンブルドアはドラコの件を持ちだした。きっと彼の計画は失敗するだろうと、そしてそれを止めて欲しいと言うクリスの切なる思いもスネイプに明かした。
 その上で、ダンブルドアはとんでもない頼みごとをした。
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