【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)
第5章 高架の向こう側
「俺は小さい頃からレスリング、柔道、相撲…結構いろんなこと、親にやらされててさぁ。
自分で言うのもおかしいけど、わりと何でもすぐできちゃって。大会で優勝が続くとつまらなくなって…ぜーんぶ辞めちゃった。」
根気強さとかないから、スポーツも武道も向いてなかったのかなぁ、とカラカラ笑う十亀さん。
体が大きく、ヘラヘラしていると勘違いされやすかった十亀さん。ケンカの相手には困らなかったという。
蓬莱さんはそんな十亀さんを見て、ケンカの仕方を教えてもらい、2人は一緒にいるようになった。
「快人は喧嘩のセンスあったんだろうね。
滅茶苦茶強くなって、気付いたらチームも作っててさ、総長の席は空けておくから、俺に総長をやってほしい、ってゴネてゴネて…」
懐かしいなー、と空を見上げる十亀さん。
「なんか総長とか大変そうだったし断り続けてたのに、高校に入って俺が違うチームにあっさり入ったから、アイツぶち切れちゃってね…ラートルとは俺を賭けて何回もやり合ってるんだ。」
けど、ラートルは層が薄くて、結局俺達は負けず、俺も獅子頭連に居続けてるんだけどね…と話す十亀さん。
「…最近のラートルは良くない噂が多いから心配してたんだ。女の子を人質にするなんて、快人らしくないからね。ちょっと…心配になったのかな。
…さっき沙良ちゃんが言った通り、俺にとってはどんな風になっても、やっぱり快人は大事な友達なんだ。」
つまらない話だったね、と明るく笑う十亀さん。
『蓬莱さんは…チームとしての功績を上げて…
十亀さんに認めてほしいのかな…って、聞いていて思いました。』
「…え?」
『ごめんなさい、完全な憶測ですが…
蓬莱さんは今でも十亀さんが凄く好きで…
チームの総長になってほしいと思っているくらい慕っていて…
他のチームのトップを狙っているのは、あえて抗争を避けているのかな、って感じました…』
チームの層が薄いなら、抗争になっても結局負ける。
抗争する意味がないから、総長をおびき寄せ、手っ取り早く自分が叩こうとしている…
自分にはそんな風に思えた。
「凄いね、沙良ちゃん…
参謀とかになれそうだ。」
『いえ、そんなっ…ただの想像です。』
"アンタ自身に興味ないから…'
『………』