第2章 完璧執事は高校生
意外にもしっかりとハイセは歩いて行って。
でもちゃんと歩幅はあたしに合わせてくれてるあたり。
ハイセなんだなぁ、とか。
思う。
思う。
けど。
待って。
待って。
「ハイセ、待って!止まって!」
ぐぐぐって。
足に目一杯力を入れて踏ん張る。
「何」
「だってここ…………」
「休むだけ」
「いやでも…………」
だって。
だって。
ここ。
こんな、とこ。
ハイセとだって…………。
「『具合悪い』」
「え」
「具合悪くなった」
「…………」
たし、かに。
さっきから息、上がってるし。
辛そう、ではあるけど。
「具合、悪いなら、病院に…………」
「…………」
あ。
また。
冷めた目。
温度が、急降下するみたいな視線。
「…………自分で行くからいい」
ぱ、て。
掴まれていた腕が離れて。
ハイセが、あたしに背中を向ける。
「…………っ」
でも。
だって。
ハイセだけど、ハイセじゃなくて。
でもやっぱりハイセ、で。
頭ぐちゃぐちゃ。
全然頭、まわんない。
考えが、まとまらない。
けど。
ハイセがあたしから離れていくのは。
嫌。
離れていくハイセの後ろ姿。
大きめなパーカーの裾を握りしめた。
「…………いいってこと?」
顔をあげられなくて。
黙ってこくんて、頷いた。