第5章 転 その2
そんなモルモットの言葉に、ごまはこくりと頷いてこう言いました。
“しかし、あー、多少の多の方、可愛がり方が過激なとこもあるまろん。……いやかなり過激と言っても過言じゃないまろ”
そう言いかけたとき、ごまはかばんから取り出され、めぐみの手のひらの上で撫ですぎて禿げるのではないかというほどに撫でられているのでした。
“……なるほどこれは過激でちう。よくこれに10年も耐えて形を保ってるでちう”
そう言いつつも、これからの日々が少し楽しみなモルモットなのでした。
実際めぐみは、とても優しかったのです。
家では学校から帰ってきたらまずカバンを床に置き、ご飯を作ります。
そしてご飯を食べると、宿題をしたり本を読んだりテレビを見たりします。そこでももちろん二匹のぬいぐるみを隣においているのでした。
寝る時は必ず、一緒にベッドにもぐって寝ます。
夜寝る前には必ず“おやすみ”とささやきながら優しく頭を撫でて匂いを嗅ぎ、そしてもう一度もみくちゃに撫でてから寝るのです。
そんなある日、ようやくモルモットに名前が与えられる日が来たのでした。