第5章 𝕆𝕕𝕠𝕟𝕥𝕠𝕘𝕝𝕠𝕤𝕤𝕦𝕞
この前轟くんのことを相談したばかりなのに…
三奈ちゃんは無鉄砲というか向こう見ずなとこがある。
勝己くんは「はぁ?」と面倒くさそうに唸るけれど
三奈ちゃんは返事を貰うまではそこから離れないと言いたげに目を輝かせてる
前に轟くんとの事を話してしまったけれど
勝己くんは、私と轟くんの関係についてどう思ってるのだろうか
彼は三奈ちゃんに視線を向けることはせず、むしろ反対側に視線を投げる。無視する態度に頬を膨らませながらも三奈ちゃんは更に身を乗り出す
「爆豪なら私が感じてるモヤモヤが分かりそ…」
「お前も、轟達もウザくて吐きそうだわッ」
「なにそれーー!?」
教室に響き渡るほどのボリュームで二人の言い争いが勃発し、私とお茶子ちゃんは顔を見合わせて意味もなく微笑し合う
「ひょっとして爆豪は秋月 と轟がくっつくのが嫌なわけー??」
話の流れ読めず、急な三奈ちゃんの言葉に体に力が入る
勝己くんは表情を変えず、以前不快そうに口を開く
「てめぇくどいって言葉知らないンか」
「ねぇ、質問に答えてって」
「別に…アイツらくっつこうが互いに触れようが、関係ねぇしどうでもいいわ」
「ちぇー爆豪の回答つまん…」
「例えくっついてもだ、奪えば言いたげだろ
アイツが ひかりに触れたなンなら、その分オレが上書きするだけだわ」
さり気なく言い放たれる言葉に三奈ちゃんは「え」と気のない声を漏らし、隣に立たずんでいたお茶子ちゃんでさえ目を見開かせている
以前勝己くんが私の身体に触れた時の熱が全身を駆け巡る
前に勝己くんは温かくて安心するか確かめるために、私に触れた
けれど今、轟くんに触れた分私に触れると言った
それって…
出来るだけ轟くんと同じ時間触れることで"温かくて安心する"かを今度こそ実証しようとしてるのかな…!
その時、勝己くんの視線がこちらに注がれ
私の顔を見て当然みたく呆れたようにため息をつかれる
勝己くんの"好きだから触れたい"っていうのはやっぱりいまいち分からないよ
だって…彼はこれまで私に触れることはしなかったから
そんな私の気持ちを汲み取ったのか、勝己くんはやっぱり複雑そうに顔を歪めて目線を私から離す