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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第9章 𝕎𝕒𝕥𝕖𝕣 ℍ𝕪𝕒𝕔𝕚𝕟𝕥𝕙




無理矢理後頭部あたりをグッと押さえつけられ胸元にぶつかる。

「…いまは…オレだから…
焦凍くんへの気持ちは締まってくんない?」

啓悟くんの切なさに歪めた顔が頭を過って喉元から熱いものがこみ上げてくる。この布一枚で私は知らないフリをしないといけない。



『………うん』


こんなときに声が出てもしょうがないのに
頭の後ろを2、3度優しく撫でられたあと、もう片方の手が布団の中に入ってくる。啓悟くんの手が脹脛あたりに触れ、思わず息を引き切る

見ちゃダメ…
ゾクゾクする身体を抑えるように目を瞑り堪える。脹脛から太ももにかけて人差し指を立て、なぞられるように動かされる。なんの躊躇もなく手はスカートの中に入っていき、手のひらでいやらしい手つきで擦られる。


『……っ…ん…』

手は下着の中には入らず、そのまま胴部に移り布越しに丁寧な愛撫が行き届く。自分の息が荒くなって、身体に熱が帯びていく。二酸化炭素が薄くて、布団を取ってしまいたい衝動に駆られる。

この布団を取って彼の唇を求めるのはいけないことだろうか

おぼつかない手をモソモソさせて布団の端を掴む。



「… ひかりちゃん」


手が止まり、視界が上を向く。顎のラインに布が張り付き何も映らないこの先に彼がいると直感した。




「ごめん」





唇にぶつかった感触は布のそれだけではないと思った。間に布を挟んで今ようやくあのときのお預けを貰えた…唇が離れていく気配で閉じかけていた瞳をあけると、同時に私を覆っていた布団をもぎ取られる。


『…ほえ…?』



「なーんて、早く出てきてくんないと困る
まずは…そうだな、風呂でも入ってきたら?」

『…あぁ…はい…?』


先程とのムードの変わりよう…というか温度差に風邪を引きそう。私はしばらくアホみたいに口を開けたまま床に膝をついていた。

「入んないの?」

『いや、入る、よ?』

「まだぼーっとするようなら一緒に入るけども?」

『え、それは…だ、ダメ!やめよ!!』

「冗談だよ。ひかりちゃんには刺激が強すぎる」

『子供扱い禁止ねっ』

クローゼットから下着を一式乱暴に手に取り、脱衣所に向かおうとしたとき剛翼が私服を運んできてくれた。近場に行くようなラフな格好じゃなく可愛いよそ行きのワンピース

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