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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第9章 𝕎𝕒𝕥𝕖𝕣 ℍ𝕪𝕒𝕔𝕚𝕟𝕥𝕙






「あ、起きた
おはよう ひかりちゃん」

『…あれホークス来てたの…?』

土日は学校がないから基本10時くらいまで寝てるんだけどホークスが来る日はいっつも7時とかに目が覚める(いや起こされるの間違い)

ホークスはベッドに腰を預け首を伸ばし、寝ぼけてる顔を満足そうに眺めてくる。


『…プロヒーロー様がこんなとこにいていいの?』

「そりゃあね、オレにも休暇くらいないとねー」

『…ふーん、ホークスの場合取りすぎだと思うけど?』


まだ意識がまばらで体が思うように動かない。窓から射し込む淡い朝陽が眩しい。
…っていうか

『前も勝手に入ってこないでって言った!』

バッと体を起こすと彼はわざとらしくキョトンした顔をして視線を私から壁に投げかける。

「あれ本気だったの?」

『大まじめ!回れ右!もう帰って!』

前は…すごく嬉しくて、恥ずかしくて擽ったかったのに…今の恥ずかしいは年相応というか女子としてという感じで…


『こんなとこにずっといちゃダメ
ホークスはみんなのヒーローでしょ?』





















「あ、起きた
昨日はゴメンナサイ」


まだ私は夢の中にいるのかと思った。でもまさしくここは私しか住んでない部屋。窓は大きく開かれ、白いカーテンが緩やかに風にそよいでいた。

その向こうに広がる空よりも先に彼の顔が目に入る。


『…いま…何時…?』

「9時」

9時…ずいぶんと長く眠った感覚があり体全体が心地よく痺れている。
っていうか、あれ…自分の格好をみて驚く。私制服のまま寝てる…!帰ってきたらすぐ寝てしまったのだと理解して思わず気が遠くなる。

「何時から寝てんの笑」

彼もそのことに気付いたのか茶化すような口調で尋ねてくる。私は彼とは反対方向に寝返りを打って聞こえるか聞こえないかのボソッした声で言う。

『…わかんない…疲れてたからぁ』

「ま、それはいいとしてさ…」

彼の手が伸びてきて私の頬を鷲掴み、無理矢理顔の向きを変えられる。無意識に布団を掴む手にギュッと力が込められ、意識はとっくにハッキリしていた。


「 ひかりちゃん
さっきからなんでこっち見ないの」

啓悟くんはどこか拗ねていて焦ってるような表情で言った。
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