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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第8章 𝕊𝕦𝕟𝕗𝕝𝕠𝕨𝕖𝕣





第一種目の障害物競走
第二種目の騎馬戦

着々と競技は進んでいき、気づけば一時間の昼休憩になっていた
お茶子ちゃん、梅雨ちゃん、私で食堂へ移動して午後の部に備えてエネルギー補給する
体は疲れ切っていて、食堂のうどんは空っぽの胃に染み渡るように美味しかった


「二人とも三回戦突破おめでとう、応援してるわ」

梅雨ちゃんの言葉にお茶子ちゃんは照れたように笑い、私は複雑そうに頷いてお礼をいう
障害物競走は光速を駆使してほんとにギリギリ順位に組み込めただけ
騎馬戦は…

「おいッ ひかりてめェはこっちだ」

『え、あ、うん』

勝己くんのおかげというかなんというか…
正直自分がしっかりサポートできた自信もないし、指示されたことを必死にこなすのに精一杯で…

……ずっと心ここにあらず…
けどそれは全部勝己くんが悪いわけで…


「そういえば ひかりちゃんいつの間に爆豪くんと付き合ってるの!」

口に含んだ冷水を吹き出しそうになるのを慌てて堪える
顔を上げるとお茶子ちゃんはキラキラした目をこちらに向けていて梅雨ちゃんも「そうね、私も気になっていたわ」と隠す気のない好奇心を顔に出していた

『付き合って…』

ない、ときっぱり言ったところで、じゃあ今朝のそれは?という説明をしなければいけないことに気付く
考えないようしてても思考を埋め尽くしていっぱいになって…意識してしまう




゛ ひかり ゛



゛てめェの中でもオレは常に上に行く ゛



彼はいつもいきなりで私が何か言う前に行動を起こす
A組だけじゃない他クラス、観客、啓悟くんを含めた中継で観てる人たち

そんな視線を諸共せず勝己くんは私にキスをした
いきなりのことで頭が真っ白になり、唇に触れた感触でさえ今では夢だったんじゃないかというくらい曖昧で

でも一つだけ唇が離れたとき


「てめェらしくやれ」


体育祭に対して言ってくれたんだと思う
…別に体育祭にまで悩み事持ち込んでたわけじゃないっての
私は…大丈夫だったのに…勝己くんのせいでいまは集中できなくなってるの!

むぅーとむくれてるとお茶子ちゃんが私の頬をつっつきながら続ける


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