第2章 入試、そして
「喫茶店うずまきは、あるかな」
スマホで検索をかけるも芳しくない。
やはり無いのだろうか。
武装探偵社、と入れかけて辞めた。
もしこれで出てこなかったらどうしよう。
もしこれで該当する人物達が出てこなかったらどうしよう。
そしたら、僕は、どうすれば。
「…ねぇ、君」
「はいっ!??!」
どこからが低い声が聞こえてきた。
織田作の声に似ている。一縷の望みを持って振り返ると、
「今朝、雄英高校に来てなかった?」
小汚いおっさんがいた。
いや、失礼かもしれないけれど。無精髭が生えてる小汚いおっさん。服ヨレヨレだし。
「えと、いました、けど、」
「推薦入試の後に横浜とは随分と余裕らしいな」
「…貴方は誰ですか?僕は、」
「君の名前は東条 誠人。そして俺の名前は、相澤消太だ。宜しくね」
なんで個人情報知ってるんですか貴方。
そして片手差し出して宜しくねって怖いでしょ。