第3章 任務と楽しい思い出
「あんのウスノロ…ッ!」
どんな金属よりも重いであろう体をした呪霊に
「寧々を傷つけやがって…!」
五条くんは身一つで飛びかかった。
「五条くん…っ!!!」
宙を疾走する五条くんを迎え撃つ無数の手。
その全てを打ち砕きながら撃墜させ、最も容易く本体の目前へと辿り着く。
数え切れないほどの手が地に落ち、重苦しい巨体は手を出すことができなかった。
「間接的とはいえ、寧々に触っていいのは俺だけなんだよっ!」
簡易領域を展開をした五条くんの声は私に聞こえなかった。
痛む足を押さえながら、その囲いで起きている物事を見守ることしかできない。
「五条…くん…!」
彼が負けるなんて考えづらい…けれど、怪我もなく元気な姿で帰ってきてほしい。
五条くんに怪我をしてほしくない。
「……あれ」
五条くんも私に対して似たようなことを言っていたような…。
「人としての優しさってだけ…よね?」
五条くんを想う時、足の痛みは和らぐ。
そのことには気付かなかったけど、再び五条くんが私の隣に帰ってきた時
「よかった…五条くん…っ」