第8章 違う人と任務
「伝説の大鯰の君に、どうか力を貸してほしい」
「ちから?」
「私は呪霊を仲間にする事ができるんだ。どうだろうか、私の仲間にならないかい?」
夏油くんの呪霊操術は、降伏させた呪霊を体内に取り込んで使役する術式。
なまちゃんの本来の姿や呪力を考えれば、ぜひとも手札に加えたい好条件の呪霊なのでしょうね。
「んー…」
なまちゃんは悩んだような顔で、うんうんと唸っている。
「やだ!ぼく、寧々おねえちゃんのなかまになる!」
「ごめんね、それは無理なのよ。私は呪霊を操ることは出来ないの」
それに今…私となまちゃんの間に主従関係が発生してしまえば、夏油くんは金輪際取り込めなくなる。
ずっと一緒に居たいと言ってくれたからこそ、夏油くんの配下についた方が長く一緒にいられる。
そこを理解してくれるかは難しいけど…
「ぼく…寧々おねえちゃんといっしょがいい」
「困ったな…そうだ、寧々ちゃんに取り憑けるかい?」
そっか、なまちゃんが私に取り憑くって方法もあるのね。