第57章 綺麗
side 赤井
元の服に着替える美緒と控え室の前で別れ
俺は子供達と共にスタジオの外に出た。
「綺麗でしたね〜!若山先生!」
「うん!歩美もいつかあんなドレス着たーい!」
子供達は先程の美緒の姿を見て
未だ興奮が治らないようで、元気にはしゃいでいた。
「確かに綺麗だったわね…
昴さんもかなり見惚れてたみたいだし?」
「…。」
そう…なんだよな…
さっき見た美緒の姿が
今も目に焼き付いてて離れない。
あいつのあんな姿を見るのは
まだまだ先だと思っていたんだが
まさか今日見ることになるとは…
正直ずっと美緒のドレス姿に魅了されていたから
あいつと何を話したのかさえ全く覚えていない。
『みんな、お待たせ。』
スタジオの入り口で待っていると
いつも通りの服装に戻った美緒が出て来たが…
少し元気が無さそうに見えた。
「先生、お疲れ様!」
『うん…ありがとう吉田さん。
紗栄子も…今日はヨーコちゃんに会わせてくれてありがとね?」
「お礼を言うのはこっちだよ〜!
じゃあ私はまだ仕事が残ってるから…みんなもまたね!」
「紗栄子お姉さん、ばいばーい!」
「今日はありがとうございました!」
「またなー!」
全員で彼女に挨拶をし歩き出したところで
再び美緒に目を向けるがやはり少し元気がない。
「美緒さん、どうしました?疲れてます?」
『あ…うん……ちょっとだけ…』
「じゃあ今日はもう帰りましょうか。
みんなもそれでいいかい?」
「僕達はこれから阿笠博士と合流して出掛ける予定があるので、昴さんは先生を送って行ってあげて下さい。」
フッ…子供は元気だな。
「じゃあね先生!後で写真送ってあげるからね!」
『!?吉田さん…しゃ、写真って…?』
「?先生がドレス着てる写真だよ?ホラ!」
『!?!?』
美緒は向けられたスマホの画面を見て
かなり驚いた表情をしていた。
俺もそうだが、まさか写真を撮られていたとは
思っていなかったようだ。