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特級錬金術師の旦那様

第4章 歓迎されない来客


「ほら、手貸して。」
「うん。って、マーフィスの手の・・・。」
「あぁ、これは俺用。デザインはミアと同じ。」
「ねぇ、この土台は?」
「ミスリルだ。」
「・・・えっ?ミスリルって、あのミスリル?」

魔力とよく馴染み、高価で希少価値のあるあの鉱石のミスリル?私は何ってものを貰ってしまったのだろう?

「ミスリルは家に余ってたのがあったから使っただけだ。やっぱり、ミアに似合う。」

普通、ミスリルが余ったって事はないと思う。結局、ピアスもネックレスも付けてくれ、この時になって思い出した様に申し訳無さそうな顔をしたマーフィス。

「あ、あのさ・・・オーブンで保温されてたアレなんだけど。その・・・ごめん。あんまり美味しくて一個食べてしまった。」
「えっ?」
「その・・・帰って来たら部屋中にいい匂いがしてて、つい・・・出来心で。なぁ、あれがミアが言ってた元の世界でのパンなのか?」
「うん。気に入ってくれた?」
「アレは神の食べ物かと思った。言い訳だけど、一個で止めた俺を誉めて欲しい。」

どうやら、気に入ってくれたらしい。それなら良かった。

「マーフィス、寝てないんでしょ?少しでも休んだ方がいいと思う。」
「徹夜なんてザラにして来たけど、やっぱり今回はちょっと疲れた。でも、その前に何か食べたい。」
「じゃあ、あまり胃の負担にならないもの作るよ。」
「あぁ、頼む。」

キッチンへと向かえば、食い入る様に私の手元を見ているマーフィス。

「なぁ、この四角いのもパンなのか?」
「そうよ。食パンって言うの。色んなものに使えるのよ。別料理はまた今度ね。今回はサンドイッチね。」
「あ、あのマヨネーズを使うのか。何か美味しそう。」

隣りで生唾を飲むマーフィス。

「こっちがマヨネーズで味付けした潰した玉子。とっても美味しいんだから。味見してみる?」
「する!」

スプーンで少し掬っては、マーフィスの口元に差し出すと躊躇なく口に入れた。

「んんんっ!!美味しいっ。もっといっぱい食べたい。」

大興奮のマーフィスだ。

「これをパンに乗せて野菜を一緒に乗せれば完成よ。食べやすい様に切るわね。」

定番の三角に切り分け、お皿に乗せた。

「なぁ、このパンの切れ端は?」
「後で素揚げしてお砂糖をまぶせば、お菓子になるから。一応、取っておくわね。」
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