第7章 ※ 鬱金香のピンクは愛の芽生え
「ん…ふふ…」
うっすらと瞼を開けると、夜が明け始めているようだ。部屋の中に、朝焼けの光が差し込み夜中ではないと知る。
すっごく暖かい、優しい温もりの中にいるひなたは、自分が微笑んでいる事に気がついた。
「うわ…」
思わず小さな声が出てしまった。煉獄さんの胸に唇を寄せて眠っていたからだ。
師範を起こさないように、そっと離れる。そして思い出そうとした。
…なぜ、私は微笑んでいたのかな…。なんだか何かをしゃぶっていたような気がするけど、よく覚えていなかった。
ただ、とても幸せな気持ちだった事は覚えている。
目の前にある師範の胸…もしかして、眠りながら舐めていたのかな…。
また、そーっと近寄って見ると、なんだか師範の胸の辺りが濡れているような気がしないでもなかった。
…やだ…私、もしかしたら師範の事を襲ったの…?…
ひなたは怖くなってしまった。不死川さんと離れ、男性の裸の肌に包まれる機会なんてなくて、自分では気がつかなかったけど欲してしまったのだろうか。
煉獄さんは、ひなたから見てすごくかっこいい。背が高くて、堂々としていてひなたの時代の人にはない、パワーみたいな物を感じる。それは力の誇示のギラギラじゃなくて、純粋な強さで威厳を感じさせるものだ。
裸の上半身も、すごくすごく綺麗で…。
そんな煉獄さんに無意識に擦り寄って、煉獄さんに何かしちゃったかもしれない。
そう思うと、恥ずかしくて申し訳なくて、このまま寝続ける事が出来なくなってしまった。
…先に起きていよう!この状態で顔を合わせるのは恥ずかしい…。
幸い、煉獄さんは眠っているようなので、ひなたはそっと寝床を出た。