第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
白梅の幹は、折れた断面が見えないように不死川が覆いをしていた。だから、ひなたも幹の中を確認していなかった。
二人で木の側に立つと、白梅は静かな佇まいを見せていた。無惨にも折れてしまっているというのに、以前と変わらない優しさを感じる。不死川は、幹の周りにキツく巻いていた縄を解き始めた。
実は、あれから何度かひなたは一人でこっそりとこの場所に来て、流星群を確認しようとした。でも、不死川によって厳重に巻かれている縄が、固く締まっていてひなたの力ではどうする事もできなかった。
…あの流星群は、今もまだ、幹の中に息づいているだろうか。
あの流星群がなければ、大正時代へは行けない。ひなたはドキドキしてしまって、不死川が太い幹に巻かれた縄を外して、ムシロを取り上げるまで固唾をのんで見守っていた。
「…自分で巻いておきながら、すげェ固結びだなァ…」
呟いている不死川の大きな背中を、背後から見ている。
「…あっ…!まだ、あるぜ。ひなた、見てくれ! 」
「ほんとだ!!…良かったぁ…」
ひなたはその場にヘナヘナと座り込んだ。もう流星群が消えていたらと思うと、すごく怖かったのだ。
「何度見ても、信じられないな…。この輝きは砕いた宝石みたいだよなァ…」
七色の煌く光を眺めている不死川は、その美しすぎる光の粒に息を呑んでいる。
「うん…本当に綺麗だよね…」
うっとりと、流星群に触れようとしたひなたの手を、不死川は素早く握った。
「ひなたは触ったら駄目だろうがァ! 」
「つい忘れちゃう。ごめんね」
不死川はひなたの手に自分の手を繋ぐと、身体の後ろにひなたを庇う。
「それ以上近づくなよ」
「うん」
不死川は流星群に触れても変化がないので、幹に触れて中を覗き込んだ。