第5章 陵南戦
そして、ついに花道が覚醒した。
予想を超える跳躍と反応で、花道は魚住を差し置いてリバウンドをもぎとった。
「花道!!すごい!」
喜びを抑えきれず、は椅子から立ち上がり、両手を胸の前でぎゅっと握る。
その目は、まるで夜空に花火が咲いたみたいに輝いていた。
「昨日きっとたくさん特訓したんだ…」
思わずつぶやく声には、確かな確信がこもっている。
──実際には特訓の姿は見ていない。
流川に引っ張られて帰ったため、その光景を知らない。
それでも彼女は“分かった”のだ。
あの一瞬で、花道の動きが昨日より何段か上のものだと。
そんなの表情を見て、流川は横目でちらりと彼女を盗み見る。
渋い顔で、明らかに機嫌が悪い。
その瞳には、嫉妬か焦りか分からない、複雑な色が揺れていた。
試合は白熱し、ついに湘北はあとワンゴールで陵南に追いつくところまで迫った。
桑「でも信じらんねぇな!ここまで追い詰めるなんて!」
佐「うちの先輩たちがここまで強いとは!」
石「相手はベスト4の陵南だぜ!」
彩子はそんな一年生の背を押すように、力強く言い切る。
彩「あんたたちも頑張って試合に出られるようになったら、湘北はもっと強くなるわよ」
桑「彩子さん」
彩「流川だって桜木花道だって同じ一年生なんだから。」
そこへ、が優しい笑顔を添える。
「彩子さんの言う通り。ましてや花道は高校に入ってから始めたのよ?みんなだってやればできる!一緒に頑張ろ!」
桑「そっ、そうだな!」
彼女の言葉に、一年生3人の顔にみるみる活気が戻っていく。
同時に、こっそりと頬を赤らめるあたりが、なんとも可愛らしい。