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僕だけを見つめて【スラムダンク】

第6章 リョータ・三井復帰


ここで、静かに口を開いたのは木暮だった。

木「大人になれよ。三井」

その声は決して強くはなかった。
だが、張り詰めきった体育館の空気の中で、不思議なほど真っ直ぐに響いた。

その直後だった。
桜木や水戸の迫力に完全に気圧されていた不良たちが、たまらず体育館の扉を押し開けてしまった。

ギィ――。

そこに立っていたのは、課外授業を終えて駆けつけた赤木だった。

「ゴリ先輩…」

赤木は、何をしているんだと詰め寄る教師を背にしながら、一歩前に出る。
そして一切の迷いもなく、低く言い切った。

赤「熱さ対策のため、締め切って練習してます。私の指示です!」

教師が何か言いかける前に、赤木は扉を閉めた。
その背中は、まるで体育館そのものを守る壁のようだった。

宮「あっ赤木のダンナ…すべて俺の責任…」

赤「黙ってろ、宮城」

短く、だが有無を言わせない声。
赤木はそのまま、視線を三井へ向けて歩き出す。

花道や水戸にやられ、さらに赤木まで相手にすれば本当に命が危ない――
そう察した堀田が、慌てて赤木の前に立ちふさがった。

「もう引き上げるから」と必死に止めに入るが、
赤木は堀田を一睨みするだけで、その場を制圧した。

赤「靴を脱げ」

たった一言。
それだけで、不良たちは何も言い返せず、次々と靴を脱いで床に並べた。

赤「三井…」

その名を呼ばれた瞬間、三井の肩がわずかに震える。

その様子を横目に、花道は宮城へ小声で尋ねた。

花「ぬっ?知り合いか?」

宮「木暮さんとも知ってる風だったぞ」

次の瞬間だった。

赤木の腕が大きく振り上げられ、
三井の頬へ――

パンッ。

反対側へ――

パンッ。

往復のビンタが、乾いた音を立てて響く。

だがそこには、復讐も憎しみもなかった。
ただ、「目を覚ませ」という、重く、真っ直ぐな愛だけがあった。

「ゴリ先輩…」

それを悟った瞬間、の目からまた涙がこぼれ落ちる。
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