第6章 リョータ・三井復帰
宮「彩ちゃん…」
花「晴子さん…」
互いに想い人の名前を呼んだ瞬間、
2人はなぜか自然と“へらっと”笑ってしまった。
2人「「エヘッ、エヘヘヘ…ん?」
しかし次の刹那、宮城の目が険しく吊り上がった。
宮「てってめぇ…やっぱり彩ちゃんを…」
花「ぬぅ…」
花(そうか、こいつは彩子さんと俺の仲を疑ってるのか…バカめ…まっ、待てよ…それって、このバカが何を思おうと勝手だが、もし晴子さんが…勘違いしてしまったら…)
花道の脳裏に “晴子が誤解して去っていく” 最悪の図がよぎり、顔色が変わった。
宮「やっぱ許せねぇぜこの野郎」
花「許せねぇのはこっちのほうだ!」
空気が一気に殺気立ち、
まるで体育館裏全体が「バチン」と火花を散らすように緊張する。
そのとき――
彩「いい加減にしろ!」
パンッ!!と景気のいい音を響かせ、
彩子はどこからハリセンを出したのか、2人を一撃。
「あぁ!彩子さん!!」
彩子の突然の乱入に、は驚きの声をあげる。
宮「あ、彩ちゃん…」
だが彩子は容赦しない。
怒りを隠すどころか、眉間に皺を寄せて宮城を睨みつけた。
彩「早く部活に行きなさい!」
と、宮城の胸へバッシュを投げつける。
宮「はい…」
しゅんと肩を落とした宮城が拾い上げる。
(あぁ…このリョータって人は彩子さんが好きで勘違いしたのね…やだ私ったら…恥ずかしい!!てか、バスケ部なんだ)
宮(考えてみりゃ彩ちゃんがこんな赤頭を…まさかな)
花(バッシュだと!?)
晴「練習頑張ってね、桜木くん」
晴子の笑顔が花道の背中を押す。
花「おぉ!こうしちゃいられない!練習だ!練習!」
花道は勢いよく駆け出した。
それを見た宮城も、彩子へちらりと視線を向けてから走る。
「は、花道!待って!」
もすぐに後を追う。
そのスピードは本当に“女版桜木”の名にふさわしい。
晴(ちゃんもすごい足の速さ…)
体育館裏には、巻き込まれたサラサラ男が呆然と立ち尽くしていた。
彼は歯を食いしばり、拳を震わせる。
そして、が花道にしか目を向けなかったことが、
彼に小さな黒い感情を芽生えさせていた。