第21章 *File.21*
「…ありがと」
目を大きく見開いた後に見せたのは、ふわりと嬉しそうな満面の笑顔。
兄からの溢れんばかりの愛情を素直に、真っ直ぐに受け止めて。
年齢を考えても、だ。
「度が過ぎますよ」
「「何の?」」
「シスコンの、です」
「「そうかな?」」
「この僕がそう思うんですから、間違いありません」
「「自慢されてもね?」」
だから、二人してニコニコするのは止めてくれ。
こういう時はここぞとばかりにシンクロし、それを発揮してくれる。
「…内勤、シスコン?に、見事なまでのシンクロ?あの兄ちゃんは一体何者なんや?」
「「「……」」」
そう、なるよな?
「自己紹介が遅れて、すまない。はじめまして、服部平次君。諸伏です、宜しく」
「はじめまして、これから宜しゅう頼むわ。で、あの兄ちゃんと姉ちゃんとは幼馴染?」
「それは否定しないけど、オレ達の関係を知って、どうするんだ?」
「別にどうもこうもせーへんけど、気にはなるやろ。あの姉ちゃんと同じく、アンタも俺の名前知っとるし。ってことはまさか、実はアンタも刑事なんか?」
「さあ?どうだろうね」
「ん?モロフシ?どっかで聞いたことあるような…」
景光は肯定も否定もせずに、ニッコリと笑ってみせた。
但し、黒い笑顔で。
「安室さん、カルボナーラとハムサンドを頼んでいいですか?」
見計らったようなタイミングで声を掛けられ、視線を工藤君へと向ける。
「了解。コーヒーはハムサンドと一緒にかな?」
「はい」
「ほな、俺も工藤と同じの頼むわ」
「畏まりました。景光はどうする?」
「オレはハムサンドとコーヒーをいただくよ」
「了解」
「私は何も要らないよ」
「もう糖分を取った後?」
「そういうこと」
雪乃は満足気にコクリと頷く。
フルーツと生クリームたっぷりの特製半熟ケーキをペロリと食したのは、まだ30分ほど前。