第3章 加速する想い
そのままベッドへ入るのだと思い見ていると、立ったまま焦点の合わない目が私を捉える。
「ん? どうしたの? 私は適当に帰るから、寝ていいよ」
頭を撫でると、その手を取られる。
「……帰るのか?」
眉を下げて首を傾げて聞いてくるこの可愛い生き物は、一体何なんだろうか。
私より大きな独歩が、まるで小さな子供みたいに甘えてくるのが、嬉しくてつい甘やかしてしまう。
手を握られたまま、ベッドの真ん中に座って膝を叩く。
「おいで。ここに頭置いて」
素直に膝に頭が置かれる。
私の脚に抱きつくみたいにして、あっという間に寝息を立てる独歩の柔らかい髪を梳く。
ただの膝枕だけならまだ動けたけど、脚をガッチリ拘束されているので、動けない。
本当に寝てるのかってくらい、しっかり抱きしめられている。
仕方なく、座りながら目を閉じる。
少しウトウトし始めた頃、突然独歩がむくりと体を起こした。
「水……」
呟いて部屋を出た。
欠伸をしながら少し待つと、ペットボトルを持った独歩が戻ってくる。
水を口に含み、ペットボトルを置いてベッドへ入ってくる独歩を何も考える事なくただ見ていると、独歩の手が私の後頭部に触れて顔が近づく。
「んっ……っ……」
喉に水が流れ、その後少し唇が吸われてゆっくり離れた。
「……独歩ってさ、普段からは想像出来ない、えっちなキスするよね……」
「俺も、一応……男だからな……」
「ふふっ、自分からやってて照れないでよ」
ベッドから降りた私の手を素早く取って、不安そうな顔をした独歩に笑いかけ、私は触れるだけのキスをする。
「もう帰るの諦めたから、ちゃんといるよ。ただ、ちょっとコンビニだけ行かせて欲しいんだけど」
夜中だし寝るだけとはいえ、さすがに下着くらいは替えたいし、他にも色々欲しい。
察してくれたのか、独歩はベッドから降りて私の手を引いて歩き出す。
「一人は危ないから、俺も行く」
二人でコンビニに向かって、素早く買い物を済ませる。レジでお金を払う時以外、手を離してくれない独歩に逃げないのにと苦笑する。
部屋に戻り、シャワーを借りて脱衣所で服を脱ぐ。結っていた髪を解いた時、扉が突然開いた。