第28章 悪意の善意
シカ「キリ、いけるか?」
キリが、一体老婆に何をしたというのか。
にこにこと人の良さそうな顔をして、キリに毒を盛るなんて。
しかもその理由が、キリが木ノ葉を狙うなど、見当違いも甚だしい。
シカ(くそっ、なんで気付かねーんだ)
キリの様子がどこかおかしかったのは、わかっていたのに。
自分は木ノ葉の里にも居てはいけないと、求められていないと、そう言って、自分を殺す為に淹れられた毒入りの茶を、キリはどんな気持ちで飲んでいたというのか。
ずっとキリの隣にいたのに、気付くことが出来なかった自分が心底嫌になる。
シカ(ふざけんなよ)
老婆にも、自分にも、腹が立ちすぎてどうにかなりそうだった。
シカ「キリ、行くぞ」
今はとにかく、キリをこんな家に1秒でも長く居させたくはない。
シカマルはキリの腕をつかんで、老婆の家を後にした。