• テキストサイズ

沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第46章 緋星(あけぼし)喰われしその時に、心炎で天蠍を衝け ✴︎✴︎



夏の太陽がもうすぐ茜色の夕陽へと姿を変えるほんの三十分前 ——
炎柱が継子の七瀬が後輩隊士と先輩隊士と別れて家路につく途中の事だ。

家と家の間の路地の物陰から、地面に鎮座した一つの眼球が彼女を観ていた。眼球の下部には気味の悪い触手が複数付いている。

その一つ目に刻まれし文字は……「肆」






ベベン———
ベベン———

顔の上半分を前髪で覆う、黒髪の女が爪弾く琵琶が一帯に鳴り響く。彼女の名前は”鳴女”で上弦の肆だ。前髪の下にある一つ目にその刻印が記されている。

そして、あちらこちらに浮遊した異空間漂うこの場所の名称は無限城。鬼の始祖は鬼舞辻無惨…彼の本拠地である。


城内部の一角に一人の男と一人の女が隣同士で立っていた。
二人共にである。
腰まである銀色の髪を一つ結びにし、群青色の着流しを着ている下弦の壱 “夕葉” その双眸の色は茜色だ。


「お前も呼ばれるって何なんだろうな」

「きっと私の美味しさにようやく気づかれたのよ。夕葉なんかより遥かに見目麗しい私のね」

「朝霧、相変わらず、性格悪いな。とっととくたばれ、虫唾が走る」


朝霧 —— そう呼ばれた女は夕葉と同じ下弦の鬼で、刻印は”弐”
腰まである艶やかな栗色の髪を一つ結びにしており、着ている着物は青藍色(せいらんいろ)の小袖。瞳の色は曙色である。


「あら?嫉妬?やあね。男の嫉妬程醜い物はないわよ」

“女の嫉妬はどうしようもないぐらい惨めだろうが”

彼はこの言葉は口に出す事なく、胸の中に忍ばせた。


「無惨様、お見えです」

鳴女の静かな声が紡がれると、二人に一瞬緊張が走る。即座にその場に正座をし、頭を下げて目の前に両手をついた。



/ 518ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp