第14章 再会
私もこめかみにじくじくした醜い傷があるからその気持ちは分かる。しばらくして、オーナーが口を開いた。
「で、神坂さん。お付き合いのお返事は?」
「あぁ……あまりこういう経験がなくて……。あなたは私のことが好きなんでしょうか?」
「ええ。もちろん好きです」
どこか薄っぺらい気がするのは何でだろう。
オーナーは穏便でお金持ちで何か悪いところがあるわけではないけど、どことなく掴みどころがない。
すぐに決断することが出来なくて、お付き合いの返事は待ってもらうことにした。
そもそもオーナーは私の本当の姿を知らない。私は呪術オタクだし記憶障害があるってことをまだ言っていない。
隠したまま交際なんて無理だ。
何より恋愛感情が自分の中にあるのかよくわからない。