第14章 再会
ちらっと後方のクローゼットに目をやった。五条先生が二次元から移動して来た結界がそこにある。赤い光が漏れ出ていないかと日々、無意識に見てしまう。
彼への未練を断ち切るには引っ越した方がいいというのは分かっていたし、これまでもそうしようとしたけれど、結局踏ん切れないままでいた。
これは一つのきっかけかもしれないと、オーナーが勧める物件を見に行くことにした。
するとそこは都内でも一等地のマンションの上層階で、今住んでいるところより格段にグレードアップした部屋だった。
築浅でオートロック、エレベーター付、収納や設備も申し分ない。
「この部屋は……」
「ちょっと物足りないですか?」
「いえ、逆です。騙されてるんじゃないかと思うほど立派で」
詳しく話を聞くと、もともと弟さんのために購入した一室だったけれど、地方に就職したため使い道がなくなったのだという。