第6章 デートの練習
「渋谷で、獄門疆の手がかり見つかるといいな。私も何か役に立ちたいな。……なんだろ、今まであまりこんな気持ちになった事なくって……五条先生とデートなんてドキドキするっていうか、緊張するっていうか、今晩ちゃんと眠れるかな?」
「ねぇ」
「ん?」
伏せていた目を五条先生に向けると、彼の体がふわっと軽く立ち上がり、近付いたと思ったらそのまま耳元に唇が寄せられた。
「あんま可愛いこと言わないで。抱きしめちゃうよ」
甘い声で囁かれて思わず肩が跳ね上がる。ただでさえドキドキしてるって言うのに、心臓が破裂しそう。
顔はきっとトマトや林檎に負けないくらい真っ赤に染まっているに違いない。
体中の血液が巡って勝手に体がほかほかになる。吐く息までも熱くなる。
私と五条先生に男女のやり取りはないって分かってる。やり取りしても私と五条先生に永続的な未来はない。
顔を見合わせると五条先生はいつも通り悪戯っぽく口角を上げていて、私はしてやられてるんだろうけどそれでも五条先生は言った。
「僕も明日楽しみにしてるよ」
そう言われて、嬉しいと思ってしまうんだから私は変だ。