第22章 今の上官は風柱様です!※
昨夜も昨夜とてなかなか寝つけなかったが、泣き過ぎたせいなのか?不死川さんが話を聞いてくれたおかげか?どちらかはわからないが数時間は眠れてホッとした。
それでもやはり何度も目が覚めてしまい、その度にいまの状況が夢ではないのだと絶望して涙が止まらなくなる。
私はどうやって寝ていたのだろうか?
そう考えて思い浮かぶのは宇髄さんの温もり。
いつも私のことを抱きしめて寝てくれていたのは毎日の事で。すっかりその温もりに慣れてしまえば、いざいなくなった今、眠ることすらできないなんて滑稽だ。
早々に布団から出ると不死川さんに御礼に朝食を作った。
初めてお弁当を作って宇髄さんに渡した時、物凄く喜んでくれたのを思い出す。喜んでほしくてついつい頑張って作ってたけど、体調崩して心配させてしまったこともあるから最近では本当に回数は減ったけど…。
それでも作れば喜んでくれる宇髄さんの顔が忘れられない。
もう一生忘れられないと思う。
死ぬまで宇髄さんのことを想い続けるだろう。
(…こりゃ、私一生独身だわ…。)
結局、父が残してくれた花嫁衣装を着ることはできないまま一生を終えることになるだろうというのは残念でならないがもういい。
宇髄さんでなければ…どこにも嫁ぎたくないし、そもそも貰い手なんてない。
彼は特殊だったのだ。私を好きになってくれた貴重な人種だったのだからもっともっともっと大切にするべきだった。
今更こんなこと言ってもあとの祭り。
居間に朝食を持って行くと不死川さんが驚いた顔をしてこちらを見ていた。
「…その様子じゃァ、よく眠れたとは言えなさそうだなァ?」
「あ、あはは…、お察しの通りで…。朝食を作ったので食べて下さい。昨夜の御礼です。私はしのぶさんのところに行きます。」
「そうかァ。追い返されたら戻って来い。此処に居ればいいからよ。俺は予定通り薬箱を取ってきてやるから。」
不死川さんの言葉に「ありがとうございます」と伝えると朝食が乗った膳を渡した。
彼には感謝しかない。一晩泊めてくれただけでなく話も聞いてくれて、宇髄さんに会いにくいというどうしようもない理由で荷物まで取りに行ってくれるなんていまの私からしたら神様同然だ。
これから先、足を向けて寝られない。