第4章 病魔 前編
そしてフィンレイと対面する席の形で、毛先の赤く染まる黒曜の長髪をひとつに結わえた、
その左目に黒い眼帯を付け左耳に黒い花札型の耳飾りのつけた和装の男が、
紅玉の冷たい眼で、こちらを睨みつけるように見据えている。
襟を紺碧色に染め上げて、
袖の裾に金糸で麻の葉模様の刺繍のなされ裏地に赤と黒の市松模様の入った黒い羽織に、
胸元のキーホールネック型
(胸元にアクセントとしてあけた装飾的な切り込み)にあいた黒い着物と、
白と高麗納戸色のシャツを二枚重ねに着て七分丈に腕まくりしている。
帯は紺碧色で、その下の胴回りの位置に黒い鎖と
金色の金具で留られた右から赤、青、赤の房飾りを付けた赤い帯をしている。
下半身は着物の前垂れ(腰から前に垂らす、エプロン状の装飾布)の位置に牡丹色の龍の刺繍がなされ、
その下に白の脚衣と両の脚の下腿の位置に白い晒し布の巻かれ、
靴は和風なショートブーツで、よく磨き抜かれた革が不吉なほどに蝋燭の灯りに煌めいている。
その後方にふたりの剣士——年嵩のほうは白磁の髪に露草色の瞳をしている。
もう一人の年若い青年は漆黒に茜色の裾カラーの入った髪、
その左側頭部に赤と黒のしめ縄を蝶々結びにし、
その中心に鈴とその下に二つの金色の房飾りのついた髪紐をつけており、
左の顔サイドの毛先の細く長く毛束の伸ばして珊瑚色の髪紐で結わえた三つ編みを垂らし、
温かみを帯びたフェアリーストーンの瞳をもつ男性——を伴っている。