❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国
第2章 武将と五百年後ノープランツアー 後
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夏の青空に負けない程の爽やかな明るい青色の大きなビーチパラソルが、戦国武将御一行+アルファ達の場所取りの目印だ。パラソル立てに立てられたビーチパラソルの下、白いレジャーシートを敷いた四隅に適当な石を置き、更に荷物を一箇所へまとめて置かれた状態を目にした現代人組は、その完璧たる仕事振りに感動を覚えた。
「凄い、完璧な場所取り…!」
「兼続さんをこっちに残して正解だったな。三人共、お疲れ様です」
場所取りと言って果たして通じるのかと仄かに懸念していたものの、そこはさすが越後の執政官と言うべきか、一切の抜かりは無い。凪が素直に称賛する横で、佐助もしみじみ呟く。海の家からも遠すぎず近すぎずの適度な距離感を保ち、海辺にも程近い。絶妙な位置加減に場所を取ってくれた三人へ労いの言葉をかければ、折りたたみ式のビーチチェアを設置していた兼続と家康が視線を向け、揃って即座にそれぞれ顔を明後日の方向へ背けた。その少し離れた箇所に居た幸村も目元を赤く染め、お前等羽織か何か着ろよ!と文句めいた事を言っている。
「!!?」
驚く凪と、何かを察したらしい三成以外の面々は内心で三者三様の感想を抱く。そんな中、秀吉と三成、佐助が設置を手伝うべく歩いて行ったのに対し、凪も何か手伝おうと繋いでいた光秀の手をすっと離した。やれやれ、と内心で吐息を漏らした光秀が凪の白い背を見つめていると、彼女が迷わず顔を背けている二人の元へ向かって行く。
「凪って偶に天然なんだよね、割と昔から」
「ああ、そのようだな」
口調の割に面白がっている彼方へ肩を竦め、光秀が瞼を伏せた。海水浴はまだ始まったばかり。連れ合いが無防備過ぎるのはやはり、少々考えものだなと胸中で零した光秀が、胸前で緩く腕を組んだ。
「家康、兼続さん、私も手伝いますよ」
「………別に、要らない」
「猫の手を借りるような事は何もないな」
「えっ」
ほとんど同時に返って来た発言へ、凪がきょとんと目を瞠る。