【MARVEL】This is my selfishness
第7章 7th
『あ、ありがとう…あの、この今着てるシャツ、洗って返すね…出来れば他のタオルとかも…』
「洗濯機に放れば良いだけだから気にするな。それよりタオルでも貸そうか?」
『え?なんで?』
部屋に戻るだろ?とバッキーが首を傾げた。
部屋に戻るからって…あ、そっか。さすがにこの肌布団のまま部屋に戻るのは動きにくい。
『いやっ、あの、自分のズボン、あれ履くから大丈夫!ちょっと脱衣所借りるねっ』
「分かった。…俺はこっち向いてるから」
『ありがとう』
バッキーが気を遣ってくれて、脱衣所とは正反対の方向を向いていてくれる。
人の家で、しかも男性の家で着替えることになろうとは。
バッキーの後ろで腰に巻いていた肌布団を畳んでソファーに置き、いそいそとズボンが入っているお酒のケースに駆け寄る。
急いで足を通して履こうとすると、軽く目眩がして足元がよろけて、バランスを崩した拍子に壁に頭を打った。
『っ、』
「大丈夫──『大丈夫!』
心配してくれるのはありがたいけど、今振り向かれるのは困ると思い、食い気味で返事をした。
「…履いたか?」
『う、うん、履いた!』
返事をして振り返ると、バッキーもちょうど立ちながら振り返ったところだった。
向かい合う形になるけど、バッキーがまだ上半身裸なせいで目のやり場に困る。
なのにバッキーは玄関の方へ───────わたしの方へ近付いてきた。
ドギマギとしながら目が泳いでしまう。
それでも気になるのは、首に掛かっている、ドッグタグ。
自分の……かな?サムさんと行動することがあるみたいだし、軍人さんみたいに姿勢も良いから持っててもおかしくない…よね?
「さっきの、大丈夫か?」
顔を覗き込んでくるバッキーの距離が近くて、思わず手を胸元にやった。
わたし今ブラジャーしてない…。
『だ、大丈夫…頭打っただけ…』
「それ、大丈夫か?」
よしよし、とバッキーが頭を優しく撫でてくれる。
それをポーっと受け入れ、バッキーの目を見つめていると、バッキーが「あ、悪い」と手を引っ込めた。
「当たり前に撫でてた…」
気まずそうにさっきまでわたしを撫でていた手で自分の後頭部を掻く。