第251章 〈After atory〉紲 ※
「これはザクロって果物だ。甘酸っぱくて美味しいよ!一口食べてみるかい?」
「はい!もちろ―――――」
焼けた肌から白い歯をのぞかせて笑うお店のご主人が、数粒そのザクロの実を私の掌に載せてくれた。
けれど私の手首を、リヴァイさんは封じるように強く掴んだ。
「やめろ、得体の知れねぇものを食うな。」
「えぇ……!得体知れなくないですよ!ご主人が美味しいって……!」
「真に受けるな、何でも。」
ふん、と顔を背けてしまったリヴァイさんと私に目線を往復させて、お店のご主人は更に満面の笑みで笑って言った。
「新婚さんですかい?ならいっそう、ザクロはおすすめだ!まぁ騙されたと思って旦那も食べてみなさいって!」
「………ならまず俺が食ってからだ。ナナ、待て。」
「……犬みたいに……。」
唇を尖らせて文句を零してみるけれど、これはリヴァイさんが私を守ろうとしているからであって……嬉しいなぁと、ほんのりほころぶ頬をリヴァイさんには見せないようになんとか平静を保った。赤い宝石のような実を数粒口に含んで、リヴァイさんが小さく咀嚼する。
「――――ねぇ美味しい?食べていい?」
待ちきれなくてそわそわと体を揺らしながらリヴァイさんの顔を覗き込んで尋ねると、ちょっと不服そうにリヴァイさんは小さく返事をしてくれた。
「――――まぁ、いいだろう。」
「やった!」
お許しが出たので、初めて食べるザクロを口に含んでみる。
一粒一粒が咀嚼によって口の中で弾けると、甘酸っぱい果汁がじわりと出てきて……小さな種?だろうか、それが舌に残る。
「初めて食べた……!ザクロ、美味しいです!」
「――――ガキか。」
私があまりに興奮したからか、リヴァイさんがふっと笑ってくれた。