第14章 はじまり
喰っていいぞ、と玉犬に言い伏黒は虎杖に歩み寄った。
「因みに あっちで呪いバクバク喰ってるのは?」
「俺の式神だ。…視えてんだな」
「?」
伏黒が言っている意味が分からず、虎杖は小首を傾げた。
「呪いってのは普通 視えねぇんだよ。死に際とか そういう特殊な場面では別だがな」
「ふ~ん…」
虎杖は気の抜けたような返事をした。
「お前、怖くないんだな」
「いやぁ、怖かったんだけどさ。
…知ってた?
…人ってマジで死ぬんだよ」
虎杖は目を伏せて答えた。
「だったら せめて自分の知ってる人くらいは正しく死んで欲しいって思うんだ」
横抱きしていた女子生徒のポケットから何やら難しそうな文字の書かれた ぼろぼろの細長い紙と人の指に似た何かが落ちかけた。
パシッ、とそれをキャッチした虎杖は「指?」と また首を傾げた。
「何で呪いは この指狙ってるんだ?」
「特級呪物 両面宿儺、その一部だ。喰って より強い呪力を得るためだ」
伏黒は そう言い、手を伸ばした。
キャッチした指を受け取ろうとした その時、天井から呪いの気配がし、伏黒は「逃げろ!」と叫び、玉犬2匹が男子生徒を引きずり、気絶している女子生徒を横抱きしたまま虎杖は後方へ飛び退いた。
「伏黒!」