第3章 舌先三寸〜日下部篤也〜
「デート?」
「私の誕生日なの。だから……お願い。」
コイツ、何言ってんだ?
お願いだと?
何故せっかくの誕生日に俺なんかとデートするんだ?
「五条はいいのか?」
「いいの、アイツは。」
もしかして五条への当て付けか?
きっとそんなところだろうな。
五条、キレるだろうな。
それはそれで面白い。
その時、みやびのスマホが鳴って討伐任務の要請が入った。
みやびを高専まで送ってやり、家に帰ろうとしたら五条に会った。
というより、五条が俺たちの後をつけていた。
「アンタ、僕のみやびに何したの?」
いきなり喧嘩腰の五条。
「何もしてねえよ。つけてきてたんならわかるだろ?」
俺たちは別に何もなかった、今日はね。
「みやびの家行っただろ。」
「たまたまアイツの好きな苺大福見つけたから持って行ってやっただけだよ。」
本当はわざわざ買いに行ったんだが。
「ふーん、たまたまねえ。」
そう言うと五条は消えた。
アイツ、絶対信じてねえな。
翌日から五条は出張で留守だった。
俺はいつも通りみやびに接した。
「飴、食うか?」
「うんっ。また舐めたやつ?」
「いいじゃん、もう虫歯うつったんだし。」
「ぜーったいヤダ、セクハラ親父!」
みやびもいつも通りだ。
「土曜日だけど、どこか行きたいとことかあるか?それとプレゼントは何がいい?」
「日下部とならどこでも良いよ。欲しいものも今は特にないし。」
俺とならどこでもいいだと?
「そうか。なら、映画でも見てから適当に街ぶらつくか?それで何か気に入ったもの見つけたら買ってやるから。」
「うん。」
嬉しそうな顔しやがって。
可愛いヤツ。
金曜の夜、五条が出張から帰ってきた。
俺とみやびが残業を終えて帰ろうとしていると、あのバカみたいに明るい声が聞こえてきた。