第6章 Escapadeー突飛な行動ー
そう言うと“え?”と言いながら夏油が歩みを止めた。
「ほら!やっぱり付いてますよ?傑先輩、私から届かないので少し屈んでもらってもいいですか?」
身長が150cmもない唯と180cm以上ある夏油では身長差がありすぎる。
その言葉に夏油は疑うことなく唯の方へ向き屈んだ。
ー瞬間…
「……ちゅっ」
「!?」
屈んだ夏油へ近付き、頬に付いている何かを取る素振りをしながら夏油の頬へキスをした。
「ふふ、ビックリしました?ドッキリ大成功です(笑)傑先輩がからかうから悔しくって…って…先輩…?」
笑いながら言っていたらギュッと抱き寄せられた。
「…唯…、頬にキスは反則だろう…いくらドッキリとはいえ…こんなことしたら…勘違いされてしまうよ…」
「勘違い?あ、私誰にでも頬だからってキスとかしないですよ!?そんなの好きな人にしか出来ないですよっ!」
…………!?
「「……え?」」
「唯、今なんて言ったのかもう一度聞いてもいいかな?」
「え…っと…誰にでもこういうことしてるんじゃないって…言いました…」
「その後、どういう人にするのか言ったように聞こえたんだが…私の気のせいかな?」
「…えっと……」
会話の流れで“傑先輩が好きです!だから頬にキスしました!”と読み取れる発言をしてしまった事に顔から火が出そうなのと、ここで改めて言って楽しかったこれまでがギクシャクしたらと思うと言葉が出てこない。
言葉にできずモゴモゴしていたら夏油が言葉を発した。
「伝えるのを迷ってたんだが…。私は唯が好きだ。だから唯も私と同じ気持ちに想ってくれていたのなら凄く嬉しいなと思ったんだが…これも私の気のせいだったかな…?」
……へ?
傑先輩が私を好き……!?
それって…両思いってこと…!?
今度はその事に驚いて言葉が出てこない…。
でもちゃんと伝えなければと振り絞って一言だけ言った。
「あのっ…!…初めて会った時から…す…好き…ですっ…」
恥ずかしくて下を向きながら答えた。
「ねぇ唯…さっき出来なかった事をしたいんだけど…いいかな…?」
そう言いながら夏油は唯の顎にそっと手をかけた。
こくんと頷くと、ふわっと唇と唇が重なった。