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◉拗らせろ初恋◉【ヒロアカ】

第8章 いい写真だろ



抱き合えば、少し早く響く彼の鼓動

その大きな手でずっと私を縛っていて


骨張った指が優しく私の髪を耳にかければ、それは始まりの合図


「我慢するな、声が聞きたい」

「今日はしないって、言ってなかった?」


「・・お前が変なこと言うから気が変わった」

寝不足だし身体きついだろ、先ほど申し訳無さそうに謝っていた彼はどこへ行ったのか
無表情で私のパジャマのボタンを外していく相澤くんが可笑しくて笑ってしまう


普段は冷静で理性的な彼が、私の前では子供のように我が儘なことがたまらなく愛おしい

だからなんだって、許してしまうのだ


「ずっと好きだった人と結婚できて幸せ」

「言うのが遅い」

不機嫌そうに言う彼の耳がまた色付いて、
「赤くなってる、可愛い」なんて揶揄ったことを私はすぐに後悔することになるのだけれど


「この状況で喧嘩を売るとは大したもんだ」

そう言って彼はまた、息ができないほど長く私に口付けた









「俺と別れた後男がいたのか、どこのどいつだ、なぁ言えよ、めぐ」

「んもうっ、だから嘘だってば・・っ!」

「ちゃんと言うまで挿れてやんない」


再会まで十年以上、互いにこういう行為だって初めてじゃない
自分の事を棚に上げて言う、大人気なくて結構

お前の初めてが俺じゃなかったと思うと、肚わた煮えくり返るんだよ


結局また意識が飛ぶまで抱き潰し、すやすやと眠る彼女を見て反省の溜息をつく
このままじゃ幻滅されてしまうのではないか、そう思う反面
俺が何をしてもきっとこいつは包み込んでくれるだろう、なんて

この甘えた安心感は何なんだろうな


「相澤くん・・」

俺の名前を呼ぶ愛しい寝顔に手を伸ばして、柔い頬に触れると彼女がゆっくりと薄く目を開けた



縛っても縛っても足りないんだ

無理だと分かっていても過去を取り戻したくて捥く俺を、お前だけは受け止め続けてほしい

手がかかって悪いと思ってるよ



「ん、眠れないの・・?おいで」

薄い暗闇の中で聞こえる優しい声音、細い腕が俺の首を引き寄せる
柔い肌に触れるとゆっくり流れる彼女の胸の音が聞こえた


「愛してる」

「ああ、頼むからずっと愛しててくれ」

眠そうな彼女は少しだけ驚いた顔をして、くしゃりと俺の髪を撫で微笑んだ


「ふふ、大丈夫だよ」
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