【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第44章 Back to December ☆
わたしの複雑な胸中は、きっと全部顔に出ていたと思う。
赤井さんはまた、静かに話し出した。
「俺はもともと、口数が多い方じゃなかったが、あの一件があって、さらに殻に閉じこもるようになった。
…だが、がむしゃらにあの組織を追ってうちに、組織を潰せる糸口もほんの少しずつだが見えてくるようになっていた。
そんな時だよ。
お前に会ったのは」
「…わたし?」
明美さんの話をするところで終わりだと思っていた話の続きに、自分が出てきたことに驚いてしまう。
赤井さんはフ…と笑って続けた。
「正直、いつお前のことを好きになったのか?と聞かれると、答えられない。
だが、一緒に暮らしていると、お前が何気ないことにいちいち喜んだり、
強いくせに意外と泣き虫だったり、
たまに、芯を食ったように俺の胸をお前の目が真っ直ぐに貫いてくる。
…いつの間にか、どうしようもなく好きになっていた。」
そんな風に、思ってくれてたんだ…
わたしは、話を続ける赤井さんの瞳をじっと見つめてた。
「お前のことが、愛しくて、大切だと思えば思うほど、無くした時の恐怖で前が見えなくなった。
お前が、どこかで笑っていればそれでいい。
生きてさえいてくれれば、それでいい。
そう思って、あの日、この観覧車でお前を捨てた」
よく、覚えてるよ…
あの日のことは、一瞬一瞬、すべて鮮明に覚えてる。
多分人生でこれ以上辛いことはないってぐらい、絶望した。