第22章 6月6日 湊のマンション、レストラン
「二人は同じ会社なんだよね?」
「はい。 部署は違いますけど」
「社内恋愛、か。 そういうのって燃えるよね。 いいなあ、一度してみたかった」
「みのり……」
「大丈夫。 私の嫌いなタイプって学校の先生だから」
「それは何となく分かる」
「でしょ? 上から目線で、偉そうで」
彼女がうんざり、というような表情を相槌を打った怜治に向ける。
全員がそうとは思えないが、彼女に近寄ってくる、そんな男性に今まで苦労してきたのだろう。
普通にそう思わせる位に素敵な人だ。
「そうなら確かに達っちゃんと正反対だね」
デザートの後に銘々があと一杯ずつワインを頼み、まだ陽も高いし今日の所はこの辺で、と達郎が切り出した。
「小夜ちゃん、今度またゆっくりお話出来たら嬉しい」
「こちらこそ。 式は挙げられるんですか?」
「ん、私はもういい歳だし、いいって言ってるんだけどね。 やるとしても、小さなものかな」
「じゃその前にでも、いつでも是非」
「ありがとう。 怜治くんも」
「楽しかったです」
僕らは寄るところがあるから、そう言って達郎とみのりが先にホテルを出た。
「いいカップルだな、色んな意味で」
「手」
「ん?」
「いい加減に、離してくれてもいいと思うんだけど」
この人はまだ呑気に恋人キャンペーンを続行中なんだろうか?